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アルコール性肝臓障害について

●アルコール性肝臓障害とは

アルコール性肝臓障害とは、肝臓の細胞が傷つき壊される障害で、増加傾向にあります。
アルコール性肝臓障害には、脂肪肝、肝炎、肝硬変などがあります。
脂肪肝は、肝臓に脂肪がたまるもので、比較的軽い病気です。しかし、ほうっておくと肝臓の細胞が変質し線維化してしまいます。
肝炎は、肝臓の細胞が傷つき壊されていく病気です。通常より多量のお酒を飲んだ場合、突然、黄疸などの症状が出てきます。
アルコール性肝硬変では、肝臓の細胞が壊れ、さらに線維化も起こり、肝臓の機能が失われてしまいます。肝臓障害としてはかなり進んだ状態です。
肝臓は、体に必要なたんぱく質や酵素を合成したり、全身の老廃物や毒物を分解して排出するなど非常に大切な役割をもっています。その肝臓細胞が壊されたりすると、本来の機能が発揮できず、ついには生命を維持することもできなくなります。
 
アルコールによる肝臓障害の原因と特徴には、つぎのようなものがあげられます。

●アルコールが直接肝臓を障害する

ウイルス性の場合は、免疫反応が過剰に働くことが肝臓障害の原因です。ところがアルコールは直接肝臓細胞を傷めます。
アルコールは体にとっては異物です。体に入ると分解のため肝臓に送られます。そのとき、例えば消毒用アルコールが細菌を殺してしまうのと同様に、お酒のアルコールが肝臓細胞を傷めてしまうわけです。

●半日で3合が処理能力の限界

アルコールは肝臓で分解されて無毒になりますが、この処理能力は、平均して体重1kg当たり1時間に0.1gほどです。これを日本酒に換算すると、3合までなら夜飲んで翌日の朝までの半日に処理できる計算になります。
アルコール処理に肝臓をまる一日働かせるわけにはいきませんので、処埋できる力は、ここまでが限界といえます。

●お酒に強い人のほうが、肝臓を悪くする

お酒に強い人は肝臓も強く、お酒に弱い人は肝臓も弱いと思われがちですが、これは誤解です。お酒に強い人は、遺伝的に酔いにくいだけで、処理する能力がすぐれているわけではありません。それなのに、酔いにくいのでつい酒量がすすみ、その結果肝臓を悪くします。ですからお酒に強い人のほうがアルコール性肝臓障害になりやすいわけです。

●10年たって、やっと悪いことに気づく

肝臓は“沈黙の臓器”といわれ、多少の障害があっても痛みや症状として主人に知らせることはありません。ですから肝臓が弱っているのに気づかず、アルコールをどんどん送り込み、肝臓の疲れをさらに進めてしまいます。
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