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肝機能・膵機能をみるデータ2

●LAP:基準値 100~200単位

LAPは、肝臓や膵臓、胆道などに多く含まれる酵素で、これらの臓器に異常があると、血液中に漏れ出し、基準値より高くなります。具体的には、「肝炎、肝硬変、肝臓がん、胆道疾患」などが挙げられます。肝臓や膵臓、胆道の疾患以外で上昇することはあまりありません。

●総ビリルビン(T-Bill):基準値 0.3~1.2mg/dl

ビリルビンとは、寿命を終えた赤血球からへモグロビンが遊離し、これが変化してできた胆汁色素です。本来は、肝臓で胆汁の成分となり、十二指腸を経て便の中に排泄されますが、「肝機能の低丁、胆道系の通過障宮」が起きると、ビリルビンが行き場を失い、血液中に流れ込みます。これが大量になると、皮膚や粘膜が黄色くなる「黄疸」になります。基準値より高い場合に考えられる病気は、「肝炎、肝硬変、肝臓がん、胆石症、胆のう炎、胆管がん、膵臓がん」などです。25mg/dlを超えると、黄疸がはっきりと現れます。

●総たんぱく(TP):基準値 6.5~8.1g/dl

血清中のたんぱくの半分以上は肝臓で合成されており、何らかの原因で、肝臓が障害されると、血清中の総たんぱくの量が変動します。総たんぱくが基準値より低い場合には、「栄養不良、消化吸収障害、重症の肝障害、肝硬変、ネフローゼ症候群」が考えられます。基準値より高い場合には、「慢性肝炎、肝硬変、膠原病、多発性骨髄種」などが疑われます。

●アルブミン(Alb):基準値 4.1~5.1g/dl

血液中のたんぱくのうち、アルブミンは、主に肝臓で合成されますが、グロブリンは、肝臓以外でも合成されるため、両者の比率(A/G比)を求めれば、肝機能の状態が詳しくわかります。例えば、肝機能に異常があると、アルブミンが減少し、グロブリンが増加します。アルブミンが基準値より低い場合は、「栄養不良、消化吸収障害、重症の肝障害、肝硬変、ネフローゼ症候群」などが疑われます。

●コリンエステラーゼ(Ch-E):基準値 3,500~8,000単位

コリンエステラーゼは、肝細胞でつくられて、血液中に分泌される酵素です。基準値より低い場合、「劇症肝炎や重度の肝硬変、肝臓がん」などが疑われます。また、「農薬などの有機リン中毒」でも低くなります。そのほか、「高コレステロール血症」で値が高くなることがあります。コリンエステラーゼは、検査を受けた医療機関によって基準値が大きく異なります。

●HBS抗原(HBsag)・HBS抗体(HBsab)・HCV抗体:基準値 陰性

血液を採取して、肝炎ウイルスの有無を調べる検査です。肝炎ウイルスには、A型、B型、C型などがありますが、この検査でわかるのは血液を介して感染するB型とC型です。
●HBs抗原が陽性の場合:現在、B型肝炎ウイルスに感染していることを現します。
●HBs抗体が陽性の場合:過去にB型肝炎ウイルスに感染したが、現在は肝炎が治まっていることを現します。
●HCV抗体が陽性の場合:過去にC型肝炎ウイルスに感染したことがある。または、現在、C型肝炎ウイルスに感染していることが考えられます

●アミラーゼ(AMY):

基準値 血清アミラーゼ42~190単位、尿アミラーゼ130~1200単位
アミラーゼはでんぷんを分解する酵素で、膵臓と唾液腺でつくられています。これらの臓器に障害が生じると、血液中に漏れ出し、腎臓を通って尿中に排泄されます。血液検査と尿検査があります。基準値より高い場合には、「急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がん、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)」などが考えられます。
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