糖代謝
●尿糖(US、UG、Z):基準値 陰性(定性検査)
試験紙を用いて尿に糖が出ているかどうかを調べます。陽性の場合、「糖尿病」が疑われます。ただし、糖尿病の人でも陰性になることがあるので、注意が必要です。また、健康な人でも、検査の前夜の食事量が多かったときは、陽性になることがあります。このほか、「甲状腺機能亢進症、脳血管障害」で陽性になることがあります。また、尿糖が陽性でも血糖値が正常の場合は、「腎性糖尿(体質として尿糖が出やすいもの)」の可能性もあり、多くの場合、心配ありません。
●空腹時血糖(BS、BG、Glu):基準値 70~110mg/dl
空腹時の血液中に含まれるブドウ糖の量を現します。検査前夜の夕食後から絶食し、検査当日の朝食前の血液を採取して調べます。体内に取り込まれた糖質は、ブドウ糖に分解された後、小腸から吸収され、血液を介して、肝臓や体内の脂肪組織に運ばれます。そのため、食後は誰でも血糖値が高くなります。しかし、このとき膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血糖を下げるように働くため、通常、血糖値は2時間ほどで元に戻ります。ところが、このインスリンが不足していたり、働きが悪いと、血糖値が高いままになってしまいます。これを「糖尿病」といいます。空腹時血糖140mg/dl以上の場合は、「糖尿病」と診断されます。
検査値が140mg/dlより低くても、基準値よりは高い場合は、「ブドウ糖負荷試験」で、さらに詳しく調べます。空腹時に、水にブドウ糖75gを溶かした溶液を飲み、試験前、1時間後、2時間後の血糖値の動きを測定するものです。試験前110mg/dl未満、1時間後160mg/dl未満、2時間後120mg/dl未満のすべてを満たせば、「正常型」とされます。試験前140mg/dl以上、2時間後200mg/dl以上のどちらかに当てはまれば「糖尿病型」と診断されます。
どちらでもない場合は、「境界型」といって、糖尿病の予備軍と考えられます。また、空腹時血糖は、「糖尿病」のほか、「膵炎、甲状腺機能亢進症、ある種の血圧降下薬やステロイド薬の服用」などで高くなることもあります。基準値より低い場合、「副腎機能低下症、アルコール性低血糖、肝硬変」などの可能性があります。
どちらでもない場合は、「境界型」といって、糖尿病の予備軍と考えられます。また、空腹時血糖は、「糖尿病」のほか、「膵炎、甲状腺機能亢進症、ある種の血圧降下薬やステロイド薬の服用」などで高くなることもあります。基準値より低い場合、「副腎機能低下症、アルコール性低血糖、肝硬変」などの可能性があります。
●HbA1C(へモグ口ビンエーワンシー):基準値 4.3~5.8%
血糖値検査では、検査したときの数値しかわからないのに対し、この検査では、長期間にわたる血糖の状態を知ることができます。赤血球の中に含まれるヘモグロビンの一種、へモグロビンAは、血液中のブドウ糖と結合して「HbA1C(グリコへモグロビン)」となり、赤血球の寿命である約120日の間、血液中に存在します。しだがって、血液中のグリコへモグロビンの量を調べれば、過去1~2か月の血糖の状態がわかります。基準値より高い場合は、過去1~2か月の血糖値が高かったことを意味します。糖尿病の人は、この値によって、血糖のコントロールができているかどうかがわかります。